<夏休み自由研究>石油と原油って違うの?

トピックス

夏休みの自由研究は親にとっても気が重いものです。
「小学校の自由研究、何をさせればいいのか分からない…」と毎年お困りの保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、身近だけど、意外に知られていない「石油」についてお子様と一緒に研究してはいかがでしょうか。

■石油と原油の違い

石油と原油、どう違うのでしょうか? この違いは、石油製品になるまでの流れを見るとよくわかります。

世界各地の油田に眠っているのが原油で、まずこの原油を採掘するところからスタートします。
採掘した原油は不純物が多いため、燃焼もせず、そのままでは使えません。
そこで日本の場合は、この原油をタンカーで輸入し、日本各地の製油所に運びます。
そして製油所で石油に精製し、さらにガソリンやナフサ、灯油、軽油、重油などの石油製品を造りだしていくのです。
ちなみに私たちになじみの深いプラスチックは、ナフサから造られます。

こうした流れで見ると、石油と原油の違いが一目瞭然ですよね。
原油は石油に精製する前の状態のことを指すのです。


■日本での石油発掘の歴史を学べる施設

日本は世界第3位の原油輸入国で、99.7%を輸入に頼っています(2014年度)。

99.7%? では、残りの0.3%は?」

そうです。実はこの0.3%が国内産の原油なのです。

日本には1ケタ台ではあるものの油田が各地にあり、年間で10万キロリットル以上の産出量を誇る油田も4カ所あります。
それは、北海道の勇払(ゆうふつ)油田、新潟県の南長岡油田、秋田県の由利原油田、そして新潟県の岩船沖油田です。

原油の輸入量は約2億1035万キロリットル(2013年)ですから、産出量で比べると遠く及ばないのは事実。
それでも北海道や、秋田県から新潟県にかけての日本海側では、石油の採掘が続けられています。

そしてその新潟県に、石油発掘の歴史を学ぶことができる石油記念館があるのです。
それが「出雲崎石油記念館」と「石油の世界館」です。

出雲崎は日本で最初に機械方式で石油掘削を成功させた地で、
その歴史を学ぶために出雲崎石油記念館が開設されました。
新津は明治時代後期から大正時代にかけて日本一の産油量を誇り、産業や経済の発展に大きく貢献したため、
それを学ぶ施設として石油の世界館が開設されたのです。


■黄色や黒色の原油もある

こうした施設では、原油についてさまざまなことを学ぶことができます。
たとえば同じ日本近海で産出された原油でも色や比重など性質がそれぞれ異なる、ということなどです。

Exif_JPEG_PICTURE

【写真】国産の原油のサンプル(出雲崎石油記念館にて撮影)

上の写真を見てください。かぎりなく黒に近い原油もあれば、
ふだん私たちが使っているサラダ油に近い透き通った黄色の原油もありますよね。
また、地名のあとに「特軽質」という区分がついたり、比重が書かれたものもあります。

先に比重から説明すると、比重とは同じ体積のある温度における水の質量との比のことで、
国産の原油は比重15/4℃によって表されます。
「15」は原油が15℃で、「4」は水が4℃ということで、水の比重は1です。
数値はどれも1よりも小さいですよね。1より数値が大きければ水に沈み、数値が小さいと水に浮きます。
だから1よりも小さい原油は、水に浮くわけです。

この比重により、原油は5段階に分けられます。 

0.8017未満特軽質原油
0.8017~0.829軽質原油
0.830~0.903中質原油
0.904~0.965重質原油
0.966以上特重質原油

東柏崎で採掘された原油や、南長岡で採掘された原油には、地名と原油の間に区分が入れられ、ラベルに書かれています。

ただし、比重15/4℃という単位は国産原油だけのもので、
外国産原油にはアメリカ石油協会(American Petroleum Institute)が定めたAPI比重が使われます。
API比重と比重15/4℃の対比は以下のとおりです。
同じ特軽質原油でも比重15/4℃は数値がもっとも小さく、API比重は数値がもっとも大きくなっています。
このため少しとまどうと思いますが、下の表のように区分で見れば一目瞭然です。
このように、外国産との対比がしやすいように国産の区分が設けられています。

比重15/4℃とAPI比重の対比表

特軽質原油0.8017未満39.00以上
軽質原油0.8017~0.82938.99~34.00
中質原油 0.830~0.90333.99~30.00
重質原油0.904~0.96529.99~26.00
特重質原油0.966以上26.00未満

 

■ナホトカ号重油流出事故で漂着した重油の展示も

この出雲崎石油記念館には、1997年(平成9年)にロシアタンカーより流出し、出雲崎の海岸に漂着した重油も展示されています。

ナホトカ号重油流出事故として知られていますが、実はナホトカ号が沈没した場所は、島根県隠岐島沖なのです。
ところが流出した重油は島根県から福井県、石川県と広がりを見せ、
政府は大慌てで対策を迫られる事態となりました。

事実、流出した重油の一部が出雲崎に漂着し、このようなかたちで展示されているわけですから、
海流による流出範囲の拡大というのは想像を超えるものなのです。

 

Exif_JPEG_PICTURE

【写真】ナホトカ号より流出し、出雲崎の海岸に漂着した重油(出雲崎石油記念館にて撮影)

こうした緊急の事態に備えるためにも、自治体ごとに最低限の対策機材は欠かせません。

現在、油吸着材「油Q2ライト」の無料サンプルをご提供しております。
ご興味ある自治体や団体は問い合わせページからぜひお申し込みください。

出雲崎石油記念館
所在地:新潟県出雲崎町大字川西140番地
入館料:大人500円、子供400円(天領出雲崎時代館にも入館可)
休館日:5月・8月を除く第1水曜日

石油の世界館
所在地:新潟県新潟市秋葉区金津1172番地1
入館料:無料
休館日:5月・11月を除く毎週水曜日

Exif_JPEG_PICTURE

【写真】出雲崎石油記念館