天ぷら油がバスや車の燃料に!

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おいしい天ぷらを作ったけど…さてどうする?油の処理

揚げ物に使った大量の油。
皆さんはどのように処理しておられますでしょうか。
捨ててしまうにはもったいない…。
かといって、オイルポットで保管すると酸化して風味が落ちるし、 地震のときに倒れて漏れることも心配です。

絶対やってはいけないことは、排水溝に油を流すこと。 ラード状になった油が排水管に堆積し、詰まりの原因となるばかりか、 浄化するのに多くの手間がかかり、環境汚染につながります。

注目の技術BDFとは

このように処理が厄介な廃食油ですが、何かうまい解決方法をということで はじまったのが「バイオディーゼル燃料」、略してBDFへのリサイクルです。 BDFとはBio Diesel Fuelの略。 「バイオマスエネルギー」という言葉とともに広がってきましたが、 生物由来の油から作られるディーゼルエンジン用燃料のことです。

欧米では早くから取り組みが進んできましたが、特にドイツは、環境先進国と呼ばれるだけあり、バイオディーゼル発電でも先鞭をつけています。

ドイツの調査機関によると、世界各国のバイオディーゼル燃料の総生産量は約 1,089 万キロリットルであり、ドイツが約30%、次いでアメリカ25%、オランダ12%、フランス9%と続きます。ドイツだけで年間318万キロリットルを生産されているとのこと。

一方、日本の総生産量は約 1 万キロリットル程度とされています。

全国的に広がるBDFとは

欧米に比べると生産量はわずかですが、日本でもBDFリサイクルへの取り組みが活発化しています。

全国に先駆けて平成9年から取組を進めてきた京都市は、自治体が運営するバイオディーゼル燃料化施設としては国内最大クラスの施設を運営しています。BDF生産量1日あたり5トン、軽油混合燃料1日あたり3トンの能力を誇り、市内のごみ収集車や市バスの燃料として活用しています。

(左より)廃食用油、分解油、バイオ軽油 京都市「バイオ軽油」実用化プロジェクト」より

(左より)廃食用油、分解油、バイオ軽油 京都市「バイオ軽油」実用化プロジェクト」より

福岡県北九州市では数年前から取り組んでおり、使用済みの食用油をごみ収集車や市営バスの燃料として活用しています。 同市では、スーパーや公民館など回収場所を約50か所設置しており、ペットボトルなどで家庭や給食センター、飲食店などから出された廃食油がリサイクル施設に運ばれ、燃料化されます。

使用済み食用油は粘度が高く、そのままではディーゼル自動車用燃料として使用できないため、化学処理を施してグリセリンを取り除きます。 軽油に近い性質のディーゼル自動車用燃料です。  

かまぼこの生産量が日本一の宮城県塩竃市。 水産加工場でかまぼこ製造時に出る大量の廃食用油をバイオディーゼル燃料化し、市公用車や組合員の車両に利用しています。 年間約 700kリットルにのぼる廃食用油の有効利用を図るため、BDFプラントを国の補助を受けて建設し、塩釜市団地水産加工業協同組合が運営、平成 19 年3月から本格稼働しています。

市営の渡船「すずかぜ」の燃料にもなっており、船へのバイオディーゼル燃料導入は国内初として注目されています。

他にも、宍道湖の水質汚染対策を契機としてリサイクルをはじめた島根県出雲市など、自治体を中心に全国的にリサイクルする動きが広がっています。

バイオディーゼル燃料のメリットと課題

バイオディーゼルのメリットは、まず、軽油に比べて黒煙が発生しにくく、燃費は軽油と比べてほとんど変わらないところです。 また、植物由来の燃料であるためCO2を削減できます。そのため、地球温暖化対策に有効な燃料とされています。 化石資源、特に石油(液体燃料)代替としても注目されています。

このように良いことづくめのバイオディーゼル燃料ですが、課題もあります。

それは、原料となる廃食油の質と供給量の安定化です。
また、対応する車両の改造やメンテナンスの問題、コスト競争力など、関連法令や税制の整備など克服しなければならない問題が沢山あり、国を挙げて取り組むべき大きなテーマです。

ドイツの事例でも、積極的な税制優遇策が市場拡大を牽引した要因と言われています。

環境省によると、国内で消費される食用油の量は2006年のデータで約230万トンあります。
リサイクルされているのは未だ少量に留まっており、新しい資源としての活用が期待されています。

将来、街で走るあらゆる車が天ぷら油で走るようになる日が来るかもしれません。

お住まいの自治体に廃油リサイクル制度があれば利用してみてはいかがでしょうか。

捨てる油を使える油に変身させるBDF技術に注目です!


※回収している自治体や団体によって、捨てる際の入れ物や対象の油の種類などルールが異なりますので、
詳しくはお住まいの市役所などに直接お問合せください。